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評価:
神田 昌典
講談社
¥ 800
(2007-05-22)
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先日、担当している投資先の社長と話題になりました
「このような変化率が大きく変わるときには、
自分達は何を信じて、何を基に判断すればいいのだろうか」
話をしていて、最近読んだ本に、その答えが書かれていた気がしたのですが
ただ、核心の「どうすればよいのか」という内容が思い出せなくて、
自宅に帰ってきて、本棚から、その本を探して、手にとってみました。
気になる箇所は、角を曲げてあり、鉛筆でマークをつけていたので、
その箇所は、すぐに見つかりました。
そこには、次のように書かれていました。
『急速に世の中の流れが変わるときには、
線路の切り替えポイントにいるようなもんだ。
ポイントでは意思をもって、どちらの方向にいくのかを決めるんだ。
いちばん悪いのは流されることだな。
意思をもって、決定すれば、どっちに転んでも後悔しないが、
流されれば恨み続けることになるからな』
これは、この本の主人公ではなく、主人公の人生に少し関った
日露戦争の生き残りでもある退役軍人の言葉。
また、本のプロローグで、著者は、次のようにも書いている。
『現代は価値観が急速に変化している・・・
想像をはるかに超えるスピードで、世の中は動いている。
・・・
このジェットコースターのように天と地がひっくり返る過程では、
誰もが混乱する。
くるくる変わる目先の出来事に振り回され、一過性の感情に踊らされる。
・・・
人々は・・・知らず知らずのうちに濁流に飲み込まれる。
・・・
だからこそ、われわれは移り気な世相の犠牲にならぬように、・・・
激流の表面では、小さな流れがぶつかり合い、水しぶきが上がる。
しかし川底では、大きな流れが緩やかに続いている。
その底流を、身体で感じ取ることが大事なのである。』
この本の評価は、アマゾンでは
(Hiro.の感覚では珍しいと感じたのですが)、
★5つと★1つに真っ二つに分かれています。
※本稿記載時(2009年4月時点)
この本の2005年単行本版のレビュー82件のうち、
★★★★★・・・31人
★・・・36人
こういう、歴史の混乱に生まれた人をモデルに書かれた本は、
人の好き嫌いが激しく、評価が分かれるのでしょうか。
ただし、意思をもって判断するべきという考え方には賛成です。
一方で、周りに流されないということは、
周りのことは考えないということにも繋がりかねない、、、
つまり、周りには大きな迷惑をかけるという一面もあるということを
忘れてはいけないのだろうと思います。
これまで、Hiro.の勝手な判断に振り回され、
支持して来てくれた自分の周りの人々に感謝。
人生の旋律 (講談社プラスアルファ文庫)
神田 昌典